パリのスーパー
パリでの食事事情ですが、野菜や肉などはそこまで高くありませんが、外食をすると途端に高くつきます。ハムとバターをバゲットに挟んだサンドイッチというのがこちらの定番なのですが、5-8 euroします。同じ材料を揃えて自分で作れば1-1.5 euro で済むでしょう。それを作る手間と時間を買っているわけですし外食が悪と言いたいわけではないのですが、さすがに全部外食していたら破産してしまいますし健康を害してしまいます(私はこれに加えて料理がストレス発散になるため、自分の食べものを自分で用意するのはこの意味でも必須です)。
街中によくあるのは Carrefour と franprix で、franprix は比較的コンパクトなお店が多め、一方 Carrefour はさまざまな大きさの店舗があり、大きさによって Carrefour city, Carrefour market, Carrefour express など名前がついています。そのほか、日本人に有名らしい Monoprix、数は少ないけど幅広く分布している Intermarché 、大きな Auchan 、ドイツ系激安スーパーの Lidl や Aldi などです。
激安系スーパーは低所得者の住んでいる治安の悪い地域にある、というような書き込みも見かけたことがありますが、私の通っている Lidl はいたって平和な場所にありますし、Auchan の周辺もたしかにホームレスを見かけなくもなく、地下鉄の駅を降りると治安のレベルが下がるのは感じますが、悪いということはないです。私は普段は Auchan, Lidl に行きつつ、たまに Place d'Italie の Carrefour Market に行ったり、家の最寄りの franprix に行ったりしています。
問題は、安ければそれだけ品質が悪いということは必ずしもなく、同じものが全然違う値段で売られていること、また同じブランドのお店でも場所によって全然様子が異なることが挙げられます。パリのスーパーマスターになるのは相当難しそうなので、ここではそういった網羅的な紹介は諦め、日々購入した食料品をつらつらと紹介してみようかと思います(随時更新)。
野菜
もちろん洗ってから食べますが、日本の野菜より入念に洗浄されて売られている印象で、かなり綺麗です。ただ量り売りも多いため、色々な人が触っているかもしれないというのはあります。あるときに特異的にこの野菜が安かった、みたいなこともありますし、場所によって2倍以上の値段の差がついていることもあります。同じ野菜でも国産と外国産で値段が違うこともしばしばです。食べ比べとかしてみたいのですが、大きい単位で売っていることが多いので、一人暮らしだとなかなか難しいものがあります。
どのスーパーでも1 kg で 2ユーロは切る。

ミニトマトはこれで最安値くらいだと思います。
1 kg 0.99 ユーロなら損はしない。
(それより安いのは期間限定セールのものしかない)
缶詰の種類は非常に豊富です。
種付きです(だから安いのかも?)。味はまずまず。
果物
Auchan Hypermarche にいくと夥しい数のりんごの量り売りコーナーがあります。たまに悪くなっているものもある(これはどこのスーパーでもある)ので注意が必要ですが、いろいろ買って比べてみると楽しいです。 りんごに限らずですが、量り売りは自分で袋に入れて、近くに置いてあるはかりで計量し、出力されてくるシールを貼り付けてレジに持っていく方法(Carrefour, Auchan)と、そのままレジに持っていくとレジで店員さんが量ってくれる方法(franprix, Lidl)があります。
肉
気を抜くとタンパク質不足に陥りそうなので、肉や魚、意識して買うようにしています。なんとなく生の肉や魚は Auchan がちょっと良い気がしています。

ソテー・煮込み用豚肉。これは特別安いです
また、肉の加工品の豊富さはすさまじく、どのスーパーに行っても大きな冷蔵庫にさまざまな種類のハムが並んでいます。ハム (Jambon) にもたくさんの種類があり、こちらにきてから色々勉強しました。 日本で生ハムとしてよく知られている熟成期間が130 日以下のものは Jambon Cru、それ以上の熟成期間のものは Jambon Sec (=乾燥ハム)、燻製したものは Jambon Fumé (熟成期間を明示して Jambon Cru Fumé などと呼ばれているものもある)、加熱されているものは Jambon cuit です。Jambon cuit で代表的なのは白ハム (Jambon blanc) 別名を Jambon de Paris というハムで、豚のもも肉を香味野菜のスープで煮たものです。生ハムのように脂身を楽しむというよりはさっぱり食べる感じです。また乾燥ソーセージも豊富で、 Saucisson と呼ばれていて、豚肉で作られたリヨン風 (rosette de lyon) と呼ばれているものなどがあります。物知り風に書いていますが、正直いってそんなにハズレはないので、見た目で適当に買って帰り、あとからパッケージを頼りにインターネットで勉強しました。
セール品。普段は3.5 euroくらい?

パスタ
ラビオリ、ニョッキ、ジラソーレなど、茹でるだけで食べられる生パスタのパックが売っています。ラビオリなど中身が入っているものは、そのまま食べても良いですし、自分でソースをこしらえても美味です。ただけっこう美味しいのでまずそのまま食べてみることをお勧めします。1パックで2〜3回食べられます。冷凍しておいても良いので腐る心配をせず買えるのも良いところです。
飲み物系
牛乳はキャップの色に注意が必要です。青は低脂肪系、赤は全乳 (Entier) です。私の個人的な感想ですと青キャップはまずかったです。赤キャップ牛乳は、Auchan で 1L 1.39 euro で買えてそれが今のところ一番安いですが、大学からの帰り道にすぐ買えるので franprix の 1.6 euro のもので済ませること多々ありです。味は私の味覚では違いがわかりませんでした。このほか、さらに高温 and/or 長時間殺菌されて常温保存可能なものも売っていますが、私は買ったことがありません。
ジュース類は、リンゴジュースが少し安い傾向にあります。冷蔵庫に入って売られているオレンジジュースは2ユーロくらいが最安値で、紙パックのものをはじめ常温で売られているものにはもう少し安いものがあります(必ずしも濃縮還元ではありませんが、フレッシュさが違うのでしょうか?あまり知りません)。

ティーバッグは Lidl が圧倒的に安いですがそんなに良いものは多分ないのだと思います。ただ、興味本位で(おそるおそる)買った 25 パックで1ユーロを切るようなお茶がけっこう美味しくて、私は個人的にはこの Infusion verveine は結構好きです。こちらに来てすぐに Carrefour で3ユーロほどのティーバッグを買ったのですが、それが3倍の値段を感じるほど美味しいかというと別にそんなことはない気がします。研究室に常備しています。

フランスはエスプレッソ文化です。フランス語で Café というとコーヒーですが実際にはかなりの場面でエスプレッソのことを指すようです。例えばスーパーには Café のコーナー(エスプレッソのカプセルやポッド)と、Coffee のコーナー(お湯に溶かして飲むインスタントコーヒーとか)が分かれていることもあります。研究室にも住んでいるところにもネスプレッソのカプセルでエスプレッソを抽出できるコーヒーマシンがあり、ネスプレッソカプセルは、 Lidl で Nespresso compatible と書かれたものを購入しています。Lidl のものは他より圧倒的に安いですが、コーヒー素人には味の違いはあまり分かりません(結構美味しいです、私がエスプレッソ贔屓だからというのもあると思いますが)。日本でネスプレッソカプセルというとけっこう高級なイメージですが、気軽に飲むことができます。スターバックスとかが販売しているそれなりにちゃんとしたものでも 10カプセル入りの箱で 4ユーロ程度なのでなお安いです。いろいろな intensity のものがあり比べるのも楽しいです。

セールでした。普段は6.5 euroくらい

そのほか乳製品
ごく普通のスーパーにも日本で名前を聞いたことのあるチーズは一通り揃っています。お手軽なかたまりのチーズはどのスーパーでもあり、一切れ2-3ユーロです。大きなところにはさらにいろいろなランクや種類のものが揃っています。Auchan でチーズグラインダーが 2.9 euro だったので思わず買って以降、なんでもチーズをかけて食べていました。もちろんいわゆるピザ用チーズ的な、機械で細かくされた状態で売っているもの (râpé) もあり、安いです。
fromages à pâte cuite (くせのないハードチーズ)

ヨーグルトもけっこう安く手に入ります。フルーツ入りのもの、砂糖入りのもの (sucre)、プレーン (nature) があります。フルーツ入りのもの、日本で買えるものも結構甘いですが、こちらのも結構かなり甘いです。一度興味本位で買いましたが私はプレーンで良さそうです。大きな容器ではなく小分けのものが多く、個数は1, 2, 4, 8, 12, 16個セットなどさまざまあります。franprix や Auchan のプライベートブランドのヨーグルトがすごく安いです。4つで0.5-0.8 euroくらい。ありがたいです。
卵は必ずパッケージをあけて確認してから購入した方が良いです(割れているものがあります)。

調味料・油
エキストラバージンオリーブオイルとそれ以外のオイル(ひまわりオイルとか)で全然値段が違うのは日本と同じです。私は2種類買って料理によって使い分けています。やはり Lidl が安いです。
そのほか
フランスのラップは日本のに比べるとダメ、という話を聞きます。たしかに箱は劣っていて非常に切りにくいのですが、日本のより薄くて密着感があるので果物とかを保存するには悪くないです(むしろ良いくらいに思っています)。日本製を節約する意味でも、日本から持参したものと使い分けています。ホイル焼きが簡単で美味しいのでアルミホイルもよく使います。
調理器具は franprix や大きい Carrefour にも売っていますが、スーパーなら Auchan が圧倒的に安かったです。ティファールの鍋の3個/5個セット販売などは日本よりだいぶ安いと思います。私も深めの鍋のセットや細かいものをいくつか購入しました。ただ、個人的にはぜひ一度 IKEA を試してみていただきたいです。鍋やお皿、コップなど安くそれなりに良いものが手に入ると思います。凝ったお皿は数ユーロ以上しますが、白い何の変哲もないお皿は0.5-0.6 ユーロほど、フライパンもアルミ・テフロン加工どちらも15ユーロ程度から購入できます。Auchan のセットのものに比べると少し高いのですが、アルミの銀色のフライパンはイタリア料理を作るのにもってこいなので嬉しくなって購入しました。また包丁はいくつか種類がありますが一番安かった3点で8.99 ユーロのセットを購入しました。これがとても切れ味がよく素晴らしい買い物でした。

参考
私の行っているスーパーまとめです。
- Lidl / Porte d'Orleans の近く
- Auchan Hypermarché / Okabe というショッピングモールの中にある
- Intermarché EXPRESS / 大学 (Jussieu) の近く: Intermarché はやや高級志向のようにも見えたのですが、実際はそうでもなく、Lidl に比べると野菜は高いですが、たまに安いものがあるので選んで買っています。またあまり甘くないシリアルがここで買えるのですが、それが結構気に入っています。総じて綺麗なお店で品揃えも街中にありながら豊富で、おまけに大学から徒歩1分なので好きです。
- franprix / Amiral Mouchez (Citeの最寄り)
- Carrefour Market / Place d'Italie: 大規模店。Auchan には劣りますがかなり何でもあります。小さい Carrefour よりすこし安いものが多い……気がする。
- Carrefour Market / Alésia
- Carrefour city / 大学 (Jussieu) の近く: コンビニみたいな感じです。
- Carrefour city / Amiral Mouchez: 品揃えは悪くなく店も綺麗ですが店員さんが何か必ず話しかけてくるのでフランス語苦手な私にはちょっとハードルが高い
- Aldi / Porte d'Orleans の近く: 個人的には Lidl のほうが好きで1回しか行っていません。