Structure and phase relations ofice polymorphs

水はありふれた物質ですが、同時に謎の多い物質です。特に、0 GPaから3 GPaという、高圧科学者にとっては比較的低圧の領域に、たくさんの未解決問題があります。 実験的には容易に到達できる圧力であるからこそ、研究者のアイデアが鍵を握る領域ともいえるでしょう。 わたしは「未知の氷の結晶に出会いたい」という好奇心を大切に、高圧氷の相転移や構造を調べています。

高圧試料を分析するには、常圧と同じ方法で、とはいきません。装置を購入すればすぐに測定できるようなものでも、高圧での例はほとんどないというケースはとても多いです。氷の構造や相転移を調べるにあたり、新しい測定技術を常圧から「輸入」することにはとても価値があります。そうした装置開発にも時間をかけて取り組んでいければと思っています。

Hiroki Kobayashi

Affiliation

東京大学 理学系研究科 地殻化学実験施設 鍵研究室 修士2年

Research Interest

氷/高圧実験とその場観察/散乱実験と構造解析/相転移の検出

Research Experience

  • 中性子回折による構造解析(粉末・単結晶 @ J-PARC MLF BL11/18)
  • X線回折による構造解析(粉末・単結晶 @ SPring-8, KEK-PF, lab)
  • Raman分光測定
  • DSC測定

Contact

E-mail: hiroki@eqchem.s.u-tokyo.ac.jp
113-0033 東京都文京区本郷7-3-1 理学部化学西館7階 2702室

Education history

  • 2024 – current. 東京大学大学院理学系研究科 化学専攻 博士課程.
    指導教員:鍵裕之 教授・小松一生 准教授
  • 2022 - current. 東京大学 統合物質・情報国際卓越大学院(MERIT-WINGS)コース生
  • 2022 - 2024. 東京大学大学院理学系研究科 化学専攻 修士課程.
    指導教員:鍵裕之 教授・小松一生 准教授
  • 2018 - 2022. 東京大学 理科I類→理学部 化学科. 学士(理学)
    指導教員:鍵裕之 教授・小松一生 准教授

今後の予定

  • I will visit Lund, Sweden, for the IUCr High-Pressure Workshop in 24–30 September.
  • 秋の学会はいつも通り結晶学会・高圧討論会へ参加します。
  • 12月に北海道大学で開催される「H2Oを科学する」に参加予定です。
  • 今期はSPring-8で課題を持っておりまして、それなりの頻度で行く予定です。よろしくお願いいたします。

最近の学会発表

  • [Invited] Hiroki Kobayashi. "Crystallography of ice under high pressure". SwedNess PhD Student Networking Day, IQBRC Building, Tokai, Ibaraki, Japan. 27 Aug. 2024.
  • [Japanese] 小林 大輝. "Impact of ice Ih on the doping assisted hydrogen ordering in ice VI". 氷・水・クラスレートの物理化学に関する研究集会「H2Oを科学する」2023, 北海道大学 低温科学研究所. 6–7 Mar. 2024.
  • [Japanese] 小林 大輝, 小松 一生, 伊藤 颯, 鍵 裕之. "氷IVにおける微弱な水素秩序化の観測". 第64回 高圧討論会, 千葉県柏市 さわやかちば県民プラザ. 1-3 Nov. 2023. (Poster)

Awards

  1. Mar. 2024. 東京大学理学系研究科研究奨励賞 (Graduate School of Science Awards for Master's studies, UTokyo).
  2. Aug. 2023. CrSJ Travel Award (fund for the attendance at IUCr2023).
  3. Dec. 2022. Best presentation award, 6th Neutron and Muon School. "Observations of phonons by inelastic neutron scattering"
  4. Mar. 2022. 東京大学理学部化学科長賞 (Department of Chemistry Chair Award, Faculty of Science, UTokyo).

採択済み実験課題

共同利用施設における実験のために獲得したビームタイムの一覧です。

  1. J-PARC 物質・生命科学実験施設 実験課題(一般利用課題) 2024A0037: (title is not disclosed at present)8.0 days at BL18 SENJU(実験責任者)
  2. J-PARC 物質・生命科学実験施設 実験課題(一般利用課題) 2024A0061: (title is not disclosed at present)11.0 days at BL11 PLANET (実験責任者)
  3. J-PARC 物質・生命科学実験施設 実験課題(一般利用課題) 2023A0195: Crystal structure and hydrogen-ordering behaviour of ice IV prepared by whole new crystallisation methods. 8.0 days at BL11 PLANET(実験責任者)
  4. J-PARC 物質・生命科学実験施設 実験課題(一般利用課題) 2023A0188: (title is not disclosed at present)5.0 days at BL18 SENJU (実験責任者)
  5. J-PARC 物質・生命科学実験施設 実験課題(一般利用課題) 2022B0093: Exploration into a hydrogen-ordered counterpart of ice IV. 7.5 days at BL11 PLANET(実験責任者)

アウトリーチ

一般向けの講演やワークショップ、色々なところでやりたいと思っています。是非お声掛けください!

スライドの改変・再配布はご遠慮ください。

Blog

Blogのページでは、主に最近読んだ論文の紹介、たまに学会参加報告などを気ままに書いています。私がどんなことに興味があるのか、少し具体的に分かるかと思って書いています。