Hiroki Kobayashi

PhD Student · The University of Tokyo


単純な分子が多種多様な多形をつくることに興味をもって氷の研究を始めました。これまで、水素秩序相や準安定相に着目した多形の探索に取り組み、最近は氷衛星の内部で実際に生じているであろう高圧氷にも興味をもっています。

高圧結晶学


氷に限らず、物質の圧力応答は興味深い研究トピックであり、構造決定はその基本ともいえるでしょう。高圧下での構造解析は依然として多くの困難がありますが、それこそがやりがいです。また、最近、特に関心をもっているのは、実験の効率化・自動化であり、実験系の制御から解析まで全自動で行うことで、より多くの条件を探索できるようにすることを目指し、ソフトウェア開発を行っています。

最近の出来事

  • Aug. 2026カナダ・カルガリーで開催されますIUCrに参加予定です。
  • Jul. 2026氷IVの選択的結晶化と秩序化に関する論文が J. Phys. Chem. C誌から出版されました。 H.K. et al., JPCC (2026)
  • May 2026イタリア ラ・マッダレーナで開催されましたWater-Xで氷XXI, XXII, XXIIIについて発表しました。
  • Mar. 2026第1回豊田理研フェロー交流会ワークショップ「⽔の科学の最先端研究と展望」にご招待いただき研究発表させていただきました。
  • Feb. 20261年間のフランス滞在を終え日本に帰りました。
  • Dec. 2025プリン結晶のNLCおよび圧力誘起相転移に関する論文がChem. Phys. Lett.誌から出版されました。 H.K. et al., CPL (2025)
  • Aug. 2025ポーランド・ポズナンで開催されましたEuropean Crystallographic Meeting(ECM)で非晶質炭酸カルシウムの結晶化について発表しました。
  • Jul. 20253つの未知の氷高圧相の発見と構造解析に関するプレプリントを公開しました。 H.K. et al., arXiv (2025)
  • Feb. 2025ICDDよりLudo Frevel Crystallography Scholarship Awardを受賞しました。受賞テーマ:「氷VIにおける特異な水素秩序化挙動の中性子回折による詳細な研究」(2,500 USD)
  • Mar. 2024東京大学大学院理学系研究科研究奨励賞を受賞し、理学系研究科総代(総長賞研究科枠推薦)に選ばれました。
  • Nov. 2023氷IVの水素秩序化に関する論文がJ. Phys. Chem. Lett.誌から出版されました。 H.K. et al., JPCL (2023)
  • Sep. 2023札幌で開催されましたPCI2023で氷IVの水素秩序化について発表しました。
  • Aug. 2023オーストラリア・メルボルンで開催されましたIUCr2023で氷IVの水素秩序化について発表しました。
  • Mar. 2022学部修了に際し、東京大学理学部化学科長賞を受賞しました。

Featured Works

Ice IV from Supercooled Water: Reproducible Crystallization, Structure, and Ordering

Hiroki Kobayashi*, Kazuki Komatsu, Shinichi Machida, Takanori Hattori, and Hiroyuki Kagi.

The Journal of Physical Chemistry C (2026) · DOI:10.1021/acs.jpcc.6c00737

水の準安定相である氷IVは、水を高圧下で凍らせても再現性よく出現しないことで有名でしたが、水を均一角形成温度まで深く過冷却することで、過冷却水から氷IVが再現よく選択的に結晶化することを初めて示しました。M1の頃の仕事で、氷XXI〜XXIIIの発見のきっかけとなった実験です。

Densification processes of crystalline purine: Negative linear compressibility and pressure-induced phase transition

Hiroki Kobayashi*, Kazuki Komatsu, and Hiroyuki Kagi.

Chemical Physics Letters 884:142600 (2025) · DOI:10.1016/j.cplett.2025.142600

プリン(C5H4N4)の結晶は、圧力をかけると全体としては高密度化しつつもc軸方向に膨らむこと、および0.7 GPa前後で圧力誘起相転移を起こし、パッキング構造の異なる結晶相へ変化することを示し、高圧下単結晶X線回折から構造を解きました。 高圧相に相転移する際、他の分子との反発を避けるため、水素結合距離はむしろ長くなるが、水素結合の本数が増加している可能性を指摘しました。

Slightly Hydrogen-Ordered State of Ice IV Evidenced by In-Situ Neutron Diffraction

Hiroki Kobayashi*, Kazuki Komatsu, Hayate Ito, Shinichi Machida, Takanori Hattori, and Hiroyuki Kagi.

The Journal of Physical Chemistry Letters 14:10664 (2023) · DOI:10.1021/acs.jpclett.3c02563

高圧準安定相である Ice IV 中の水分子は配向無秩序状態ですが、低温高圧中性子回折実験により、ice IVにおいて120 K付近で微弱ながら水素秩序化が起こっていることを初めて報告しました。B4の卒論のテーマです。

開発したアプリケーション・ウェブサイト

  • PACE5000.py

    Druck PACE5000の制御およびロギングのためのPythonベースのGUIアプリ

  • FluoraPressée

    分光器制御・データ取得・即時圧力計算をシームレスに行うPython ベースのGUIアプリ(現在、Andorのみ対応)