研究者ビザ or 学生ビザ?
フランスの大学に学生として登録されるのではなく、研究者として滞在する形になりますが、日本の大学の学生であることは変わらないためビザの取り扱いに注意する必要があります。フランスの学生ビザポータルサイトを参照すると、2020年12月24日以降は、学生が研究目的で滞在する際には、学生ビザか研究者ビザかを「その対象者が受け取る毎月の資金総額を用い」て区別するとあります。私の渡航期間ですと、月に2200ユーロ以上の資金があれば研究者ビザ、という基準でした。滞在期間の延長や、レートによっても変動するため微妙なところでしたが、東大からもらっていた支援も合わせると、額面では2200ユーロを超えそうだったので、研究者ビザを準備することにしました。
ビザが必要であるかは、フランスのビザポータルサイトで確認できますが、私の理解が正しければ90日を超える滞在であれば問答無用でビザが必要です。研究者ビザとは、 'Talent Passport – International Talents', 'Scientist – Researcher/Talent'です。学生ではありません.。このビザは、受入協定書に書かれている範囲であれば労働が許可される強いビザで、扱いとしてはポスドクなどと同じになります。
研究者ビザの申請は、学生ビザほどは複雑ではなく、受け入れ先の機関が発行する受入協定書 (convention d'accueil) がほぼ唯一必要な書類です(他の書類は簡単に手に入るものだけでした)。
私の受け入れ教員 (Stefan Klotz, IMPMC, Sorbonne University) は大変親切に対応してくれ、 私はなんの苦労もなく1ヶ月ほどで受入協定書を手に入れることができました。ただ、インターネットで検索して出てくる話を聞くとこれは相当なレアケースのようです(3ヶ月かかった、なんていう話も……)。書類を準備してもらったのはクリスマス休暇の直前でしたが、Stefan は「12月10日までに来なかったら直接事務に行って催促するから、絶対年内には間に合うから安心して」と言ってくれて心強かったですし、出来上がった書類もすぐに国際郵便で送ってくれました。
Convention d'accueil の発行依頼にあたっては、Stefan を経由して、メールで以下の書類をフランスの大学に送りました:
- 修士課程の修了証明書(英語、東大の自動発行機で発行)
- 学振の海外挑戦プログラムの採択証明書(英語、学振に所定の書式で依頼)
- 自宅の住所
- パスポートのスキャン
ビザ申請の準備
ビザは大使館まで申請をしに行きますが、それまでにやることは(1) 大使館の予約を取ること、(2) フランスのビザポータルサイトで申請書をオンライン入力し、出力されるPDFを印刷して署名をすること、 (3) 必要書類を集めること、です。
大使館の予約は1ヶ月先まで埋まっていることもあり、ちょっと出遅れたので予約を取ったのは1月21日の枠でした(渡航予定日は2月27日)。もう少し早めにやっておけばよかったですが、Convention d'accueil がいつ届くのかが全くわからない状況では予約するのも難しかったです。12月になり、書類の手配の段取りがついた段階で予約を入れました。
ほか、必要な書類は予約を取った際やPDFを出力した際に表示されるなり、メールで送られてくるなりするので、その通りに集めました。私が手配したものは、
- Visa application form(ウェブサイトでPDFを作成して印刷)
- Registration receipt(上記のPDFの4-5枚目。一緒に出力されるのでそのまま印刷)
- 修士課程の修了証明書(英語、東大の自動発行機で発行)
- パスポート
- 証明写真(35 mm * 45 mm, ビザの申請書に貼り付ける)
- Convention d'accueil
- レターパックプラス(ビザとパスポートの返送用、これだけメールには書いていなかった。調べたらレターパックでの返送以外受け付けていないということだったので持って行った)
それぞれA4サイズでコピーをとっておき、コピーも持って行きました。学生ビザの場合は、保険に加入した証明や、収入証明なども必要などという記事も目にしました(あまりきちんとは調べていません)が、研究者ビザの場合は上記の書類が要求されたのでそれだけを用意しました。勝手な推測ですが、受け入れ先の機関から署名つきで正式に発行されている Convention d'accueil は「ビザ申請者がきちんとした人であることをフランスの機関が証明してくれている最強の書類」なのではないかと思いました。
ビザ申請 @ 大使館
渡航5週間前、1月21日に南麻布にある在日フランス大使館に行きました。11時の予約でしたが10時半には着きました。空いていましたが帰る頃にはそこそこ人が来ていたので早く行ってよかったみたいです。 大使館に着くと、左側に visa セクション専用の入り口があり、まずセキュリティチェックを受けます。守衛さんは日本人でした。 手荷物検査(x線検査とかはなかったです。ざっと開いて中身を見られるだけ)と、予約票(QRコードが載ったメールを印刷したもの。印刷しなくても画面でもOKなのかもしれません)、パスポートをチェックされました。金属探知機を通った上で進みます。
中に入ると待合室があります。ボールペンの置いてある机、それに証明写真機はあります。ほかは特に何もありませんでした。私のほかには待っている人はいませんでした。窓口は3つあります。書類を準備して座っているとお待ちの方どうぞと声をかけられ、窓口に進みます。ここの担当の方も日本人の方でしたが、インターネットの記事を読みますとフランス人の方のこともあるそうです。
- 書類を全部出してくださいといわれるのでメールで指示された書類をすべてお渡しします。これを出してとかは指示されませんでした。全部出せ。
- パスポートは原本とコピーをどちらも渡しました。パスポートのコピーは全ページ取って行きましたが、写真のページだけでよかったようです。全部ホチキス留めしてしまっていたので全部じゃあ受け取っちゃいますね〜と言われました。
- Convention d'accueil は、コピーも取って行きましたが、原本に承認印を押した上で、レターパックで返却するということだったので、コピーは渡さず原本を渡しました。私の署名をする欄があったようなのですが見逃していたため、教えていただいて署名を書きました。
- レターパックはやはり必要でした。メールに書いていなかったので調べて用意しておいて助かりました。追跡番号が書いてあるので渡す前に写真を撮っておきました。
- ビザ申請料金を支払います。現金です。お金はレートによって多少変動があるのでしょうが、ビザ申請書のPDFを発行した際に書かれていた金額と大差なかった気がします。料金は研究者ビザの場合99ユーロで、日本円で 16,294円を支払いました。小銭を持って行ってお釣りのないよう支払えるように準備して行きました。
- 指紋を取る機械が置いてあり、指示された通りに取りました。
手続きは、受け取ったものをどの程度確認しているのかもよくわからないくらいあっけなく終わりました。3分くらいで終わりました。逆に心配になるレベルです。港区でちょっといいランチでもして帰ろうと思っていましたが、あまりにあっけなく終わったのでそのまま帰ってしまいました。無事にできていることを祈ります。
ビザ受け取り
ビザを申請して3日後にレターパックでパスポートとConvention d'accueilが返ってきて、無事ビザが発行されていました。これでとりあえず渡航はできそうです。
日本での準備
現地で滞在許可証を発行してもらうためには出生証明を出す必要があるとのことです。調べると戸籍謄本のフランス語訳を作れば良いとのことだったので法定翻訳会社にお願いしました。どうやら、以前は翻訳を作ってもらったのち、在日大使館にその書類が正式なものであることを確認してもらう作業が必要だったようなのですが、2025年2月に調べた限りでは、大使館の認定している会社(大使館のページに: リストが載っています)にお願いすればそれで完了するようです。よくわからなかったので、念の為2部作りました。私のお願いした会社は、コンビニで戸籍謄本を印刷した上でスキャンしたPDFをメールで送ると翻訳を作ってくれて、最後にできたものを現地に受け取りに行く際に、日本語の謄本と割り印をして完成というスタイルでした。1週間でやってくれました。かかった費用は1通目翻訳 5,500円、2通目翻訳 550円、戸籍謄本の発行は450円*2 = 900円 でした。